MTGの初心者が間違えやすいターンの優先権の流れ|フェイズごとに整理して解説

「自分のターンなのに、なぜか相手が呪文を唱えてきた」「インスタントをいつ使えばいいか分からなくて、ずっと手札で抱えてしまう」——MTGを始めたばかりの頃、こうした場面で戸惑う人は少なくありません。その混乱の多くは「優先権の流れが見えていない」ことから来ています。MTGでは、自分のターンであっても相手にも優先権が回ってくる瞬間が何度もあります。このしくみを一度整理しておくだけで、呪文を使うタイミングへの迷いが大きく減ります。

「優先権」とは何か——一言で言うと

優先権とは、「今この瞬間に呪文を唱えたり能力を起動したりできる権利」のことです。優先権を持っているプレイヤーだけが呪文や能力を使えます。逆に言えば、自分が優先権を持っていないタイミングでは、インスタントであっても基本的には使えません。

MTGのターンは複数のフェイズ・ステップに分かれており、それぞれの区切りで優先権が発生します。スタックと優先権の詳しいしくみと合わせて理解しておくと、ゲーム全体の流れが見通しやすくなります。優先権の流れを知らずにプレイしていると、「本来できたはずのことができなかった」「してほしくないことをされてしまった」という状況が生まれやすくなります。ここから先は、ターンの順番に沿って優先権の動きを整理していきます。

ターンの構造と優先権が発生するタイミング

MTGのターンは大きく5つのフェイズに分かれています。アンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップを含む「開始フェイズ」、メイン・フェイズ(第1メイン)、戦闘フェイズ、第2メイン・フェイズ、そして終了フェイズです。優先権はこれらのフェイズ・ステップが開始するたびに、ターンを行っているプレイヤー(アクティブ・プレイヤー)に与えられます。

  • アンタップ・ステップ:優先権は発生しない(カードをアンタップするだけ)
  • アップキープ・ステップ:アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(誘発型能力が処理された後)
  • ドロー・ステップ:カードを引いた後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る
  • メイン・フェイズ:アクティブ・プレイヤーが優先権を得る(ソーサリーもここで使える)
  • 各戦闘ステップの開始時:それぞれのステップでアクティブ・プレイヤーが優先権を得る
  • 終了フェイズ:誘発型能力の処理後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得る

「アクティブ・プレイヤーが優先権を得る」というのが基本の流れです。アクティブ・プレイヤーが何もしないか(優先権をパスする)、あるいは何かを行った後に優先権をパスすると、相手(ノン・アクティブ・プレイヤー)に優先権が移ります。

初心者が特に間違えやすいポイント

実際のゲームで迷う場面は、だいたい決まっています。「実はこの2つは別のタイミングで処理できる」という感覚が、最初はなかなかつかめません。以下にありがちな間違いを整理します。

「自分のターン=自分だけが動ける」という誤解

自分のターン中でも、優先権が相手に渡るたびに相手はインスタントや誘発型能力を使えます。たとえば自分がソーサリーをスタックに置いた後、優先権をパスした瞬間に相手がインスタントで打ち消しを唱えることができます。「自分のターンだから相手は何もできない」という考えは間違いです。

戦闘前のメイン・フェイズを活かせていない

第1メイン・フェイズは戦闘フェイズの前に来ます。ここでクリーチャーを展開してから戦闘に入ることができるため、「クリーチャーを出してから攻撃宣言をする」という流れが可能です。逆に、戦闘フェイズに入ってからソーサリーを唱えることはできないため、「攻撃前に強化したかったのにメイン・フェイズを飛ばしてしまった」というミスが起きやすい場面です。

戦闘フェイズの流れと優先権の動き

  • ①戦闘開始ステップ:優先権が発生(インスタントを使えるタイミング)
  • ②攻撃クリーチャー指定ステップ:攻撃を宣言した後、優先権が発生
  • ③ブロック・クリーチャー指定ステップ:ブロックを宣言した後、優先権が発生
  • ④戦闘ダメージ・ステップ:ダメージ割り振り後、優先権が発生
  • ⑤戦闘終了ステップ:優先権が発生

「インスタントはいつでも使える」の誤解

インスタントとソーサリーの違いとして、インスタントは「優先権を持っているときであればほぼいつでも使える」という性質があります。しかし「優先権を持っていること」が前提です。アクティブ・プレイヤーが優先権を持っていない瞬間——たとえば相手が何かをスタックに乗せてまだ優先権をパスしていないタイミング——では、自分はインスタントを使えません。優先権が自分に移るまで待つ必要があります。

よくある質問

Q. 相手が攻撃を宣言したとき、こちらはインスタントを使えますか?
A. 使えます。攻撃クリーチャーが指定された後、優先権がアクティブ・プレイヤーに渡り、その後ノン・アクティブ・プレイヤー(あなた)に渡ります。このタイミングでインスタントを唱えることができます。
Q. アップキープ・ステップに相手の誘発型能力が出たとき、こちらも何かできますか?
A. できます。誘発型能力がスタックに置かれた後、アクティブ・プレイヤーに優先権が渡り、その後ノン・アクティブ・プレイヤーにも渡ります。このタイミングでインスタントや能力を使うことが可能です。
Q. 優先権を「パス」するとはどういう意味ですか?
A. 何もせず(または何か使った後に)「次のプレイヤーに優先権を渡す」ことです。両プレイヤーが続けてパスした場合、スタックの一番上にある呪文や能力が解決されます。両プレイヤーがパスしてスタックが空の場合、次のステップに進みます。

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